ALSは、有名なフランスの神経病学者Charcot(シャルコー)によって1869年に報告されて以来、「呼吸筋麻痺=ALSのターミナル(終末)」としてとらえられてきました(今までのALS観=Charcot‘ALS,)。しかし、呼吸筋麻痺への呼吸補助や嚥下筋麻痺への胃ろう造設技術開発から、「ALSの呼吸筋麻痺と嚥下筋麻痺は一つの運動系麻痺でALSの全臨床過程の一過程」と考えられるようになりました(新しいALS観)。つまり、呼吸筋麻痺=「死」ではないという考え方です。「新しいALS観」は、呼吸を補助している患者さんも生活していける療養環境を整えることが、医療の役割であるという考え方です。
しかし、現在、医療・福祉のサポート体制は、呼吸補助や胃ろうをつけながら生活していける患者、家族の方が皆と同じように生活していけるような療養環境には未だなっていません。「新しいALS観」を広く一般の方に知ってもらい、ALS患者・家族が今の社会で普通に生活していけるように取り組むことが大切です。