「子どもの写真を撮らないでほしい」という声について
読売新聞の記事(2026年9月14日掲載)では、ダウン症の息子・秋雪君を6歳で亡くした加藤浩美さんの、その後の歩みが紹介されています。
加藤さんは、息子が亡くなった後、悲しみを抱えながらも、息子が通っていた障害のある子どもたちの学園で、子どもたちの写真を撮影するボランティアを始めました。お誕生日会や七夕会、クリスマス会などで撮影し、写真を学園に掲示したり、保護者にプレゼントしたりしていました。保護者から「こんな笑顔、家でも見せない」と喜ばれることもあり、子どもたちの写真を撮ることが、加藤さん自身の心の傷を癒やすことにもつながっていました。
しかし、年月がたつにつれて、息子を知る保育士や保護者が学園からいなくなり、新しい保護者たちとの関係が生まれるようになると、状況が変わっていきます。加藤さんは、「子どもの写真を撮らないでほしい」という保護者の声を聞くようになったのです。
記事では、保護者が撮影を望まなかった具体的な理由までは説明されていません。ただ、加藤さんにとっては、写真撮影は子どもたちの成長や笑顔を記録するだけでなく、亡くなった息子との思い出を大切にしながら、ほかの子どもたちや保護者とつながる活動でもありました。
一方で、保護者の交流会でも、子どもを亡くした加藤さんと、子どもを育て続けている母親たちとでは、悩みを共有することが難しいと感じる場面が増えていきました。こうした変化も重なり、加藤さんは次第に学園から足が遠のいていったといいます。
この記事では、写真を撮ることが誰かの喜びや支えになる一方で、撮影を望まない人もいるという現実が描かれています。
考察:写真を撮る側の思いと、撮られる側の気持ち
写真撮影は、子どもたちの笑顔や成長を記録し、家族にとってかけがえのない思い出を残すことができます。撮影した写真が、保護者の喜びや励みになることもあるでしょう。
しかし、撮影する側が善意で行っていることであっても、撮られる側が同じように望んでいるとは限りません。写真を残してほしいと思う人がいる一方で、子どもの姿を撮影されたくない人や、写真の扱いに不安を感じる人もいます。記事では、その具体的な理由は明らかにされていませんが、そうした気持ちも尊重する必要があります。
親の会など、さまざまな事情や思いを抱えた保護者が集まる場では、写真撮影に対する考え方も一人ひとり異なるかもしれません。写真を撮ることが大切な思い出や支えになる方もいれば、撮影を望まない方もいます。
大切なのは、撮影する側の善意だけで判断せず、撮影される子どもや保護者の気持ちを確認し、それぞれの考えを尊重することです。
親の会でも、写真を撮ることを当然と考えるのではなく、撮影を望まない親御さんもいらっしゃることを念頭に置き、事前に意向を確認するなど、お互いに配慮していきましょう。