ダウン症の本の紹介と感想
はじめに
最近読んだダウン症に関する小説や本の紹介と感想です。
目次
ダウン症に関するノンフィクション・エッセー
弟は僕のヒーロー
人生バイプレイヤー
たったひとつのたからもの
ようこそダウン症の赤ちゃん
選べなかった命
ぼくを忘れないで
ダウン症に関する小説
メモリー・キーパーの娘
デザイナーベイビー
ダウン症に関する絵本
マルコとパパ
あいちゃんのひみつ
その他の障害に関する本
アルジャーノンに花束を
障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。
知的障害の子をもつお母さんお父さんの笑顔のために
ダウン症に関するノンフィクション・エッセー
紹介
情報
- タイトル:弟は僕のヒーロー
- 著者:ジャコモ・マッツァリオール
- 出版日:小学館 (2017/8/1)
- あらすじ:僕は5歳のとき、パパとママから弟が生まれると聞かされ、大喜びした。姉と妹に囲まれた僕は、一緒に遊べる男兄弟がほしかったのだ。しかも、どうやら弟は「特別」らしい。僕はスーパーヒーローを思い描き、一緒に闘いごっこをすることを想像した。だけど、実際はちょっと違っていた。そして僕はだんだん「特別」の意味を知る…。僕、ジャコモ。19歳。弟、ジョヴァンニ。13歳。僕の弟はダウン症。世界30万人が泣いた、たった5分の映像から生まれた奇跡の本。
- 著者の紹介:1997年、イタリア、ヴェネト州生まれ。2015年、ダウン症候群の弟ジョヴァンニと一緒に制作したショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』が30万回以上視聴され話題に。翌年、処女作となる本書を発表、イタリアで15万部を超すベストセラーとなる。
映像化
映像化の話もあるようです。
豆知識
- 本作は、著者が弟と制作したショートムービー『ザ・シンプル・インタビュー』がきっかけとなり生まれました。十代の著者が、彼なりの葛藤の末に手に入れた「新しい景色」がじわじわと伝わる、感動の5分半です。ぜひ、本書とともにお楽しみください。
寸評
ダウン症児の兄が、弟の誕生から十三歳までの生活を切り取って描いた感じの本です。兄の色々な思いや葛藤が描かれていて、すごくリアルでした。しかし、実話だと思うので、小説のようには盛り上がりません。実話にそれを期待する方がおかしいのかも知れませんが、少し刺激不足でした。ただし、ショートムービーがあることや、訳者あとがきは、心に響きました。「ダウン症」だとか「障害者」だとかカテゴライズするのは良くない、と書いてありました。確かにそれが、理想だと思います。私も最近、ダウン症児のアナを描きつつ、ダウン症をあまり出さない方向性になっていることに気付かされました。他には、イタリアでは、インクルーシブ教育が、行き届いていて、幼稚園から大学まで、障害児専用のクラスが廃止されているそうです。日本では、まだカテゴライズの必要性を感じました。★★★★★★★★
紹介
情報
- タイトル:人生バイプレイヤー きょうだい児を生きる
- 著者:中澤晴野
- 出版日:文芸社 (2019/2/1)
- あらすじ:きょうだい児は、「透明な鎖」で他人や自分自身から縛り付けられる傾向にある。透明な鎖とは、障害のあるきょうだいのために生きることといった見えない期待のこと。障害や病気の兄弟姉妹をもつ「きょうだい児」は、いい子でいなくちゃいけないの? 感情を出さずに我慢をしてきた、私のリアルがここにある。きょうだい児としての気持ちを真摯に綴る、胸に迫る告白。
- 著者の紹介:1991年生まれ。北海道出身、在住。道内の国立大学を卒業後、障害者手帳を取得し、福祉事業所で働く。ダウン症の弟を持ち、現在同居中。同じきょうだい児とSNSを通じて交流を深め、きょうだい児の声を発信している。
映像化
なし
豆知識
- 告発と言う形をとり、何度も削除しようとしたそうです。
寸評
前半は、とても穏やかで、幼いきょうだい児(障害児の兄弟姉妹を平仮名の「きょうだい」または「きょうだい児」と呼びます)にも読ませたいと思えますが、後半、苦悩の時代が始まり、障害児の関係者には、刺激の強い内容になります。それでも、終盤には、「ああ、読んで良かった」と思えると思います。きょうだい児へのケアの必要性、きょうだい児のSNSの存在。そう言ったことの重要性が、よく分かります。もし、きょうだい児がいたら、早くに手を打っておくべきでしょう。★★★★★★★
紹介
情報
- タイトル:たったひとつのたからもの
- 著者:加藤浩美
- 出版日:2003/11/25
- あらすじ:そのほほえみだけで幸福にしてくれた。重度のダウン症で六年三カ月の命を閉じた息子を撮り続けた母の記録。明治生命CMで話題に
- 著者の紹介:1964年埼玉県生まれ。高校入学後、初めて手にしたカメラ(一眼レフ)で写真撮影に魅せられる。1982年、就職。1991年に社内結婚し、翌1992年、長男秋雪誕生。1999年、秋雪死去。2000年3月、明治生命フォトコンテストに応募し、入賞。2001年8月より明治生命の企業CM「たったひとつのたからもの」(90秒篇)放映開始。ACC賞など数々の賞を受賞。2003年4?9月「たったひとつのたからもの」(60秒篇2篇)放映。全国で話題となる。現在、ボランティアでいずみの学園の日常を記録に残している。
映像化
豆知識
- 父・幸太郎さんが、秋雪くんを抱く写真が、明治生命 第1回「しあわせな瞬間」フォトコンテストで、銀賞を受賞しました。
- ドラマ中には、秋雪役の子役をはじめ実際のダウン症児が多く出演しています。また、それまで歩けなかった子役の後藤響が撮影中に歩けるようになり、この場面はそのままドラマに使用されています。
- いくつかの「ドキュメンタリー番組」が、放送されました。
- 秋雪役を演じた杉森翼の母、杉森津久美が、ドラマ出演を題材とした手記「翼は翼なんだから」を著しています。
- シンガポールで開催された「アジア・テレビジョン・アワード2005」において、「たったひとつのたからもの」がシングルドラマ部門のグランプリ(最優秀作品賞)を受賞しました。英語のタイトルは、「The One and Only」です。
- 放送では副音声(解説放送)が行われていたが、DVD版には収録されていません。
寸評
本を読んだのは、ドラマを見た後だったので、内容自体に驚きなどはありませんでした。愛されていたんだな、と感じました。この本は、多くの写真も交えて、記載されているので、イメージが良く伝わります。初めてダウン症を告知された方などには、有益な本だと思いました。実話と言うのも、話に無理や嘘がなく、安心して読めました。ふと思ったんですが、この本は、ブログに似ています。写真も豊富だし、内容も、ダウン症児のママさんの言葉に近い。だから、是非ダウン症児の親御さんのブログを読むことをお勧めします。生の声が、語られています。★★★
紹介
情報
- タイトル:ようこそダウン症の赤ちゃん
- 著者:日本ダウン症協会
- 出版日:1999/7/1
- 内容:ダウン症の子のいる100人の家族の、実名で書かれた生活記録。つい笑ってしまう面白い話、つい泣いてしまう感動的な話など、100の家族ドラマを通して、ダウン症の子との生活がどれだけ「普通」の暮らしなのかを訴える。
映像化
なし
豆知識
- 各家族の1ページくらいの短いエピソードが、綴られています。
寸評
百人ものダウン症児の家族から、エピソードを集められたのは、流石日本ダウン症協会だと言えると思います。どの話も、とてもリアリティがあって、ダウン症児とその家族の様子が、垣間見れました。もう少し、ドラマチックな方が良いと言う意見もあるかと思いますが、その日常が、読んでいて、ホッとできる源泉のような気もします。出版された頃は、とても貴重な情報だったと思います。今は、ブログが、それを受け継いでいるように思います。★★
紹介
情報
- タイトル:選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
- 著者:河合香織
- 出版日:文藝春秋 (2018/7/17)
- あらすじ:その女性は、出生前診断を受けて、「異常なし」と医師から伝えられたが、生まれてきた子はダウン症だった。函館で医師と医院を提訴した彼女に会わなければならない。裁判の過程で見えてきたのは、そもそも現在の母体保護法では、障害を理由にした中絶は認められていないことだった。ダウン症の子と共に生きる家族、ダウン症でありながら大学に行った女性、家族に委ねられた選別に苦しむ助産師。多くの当事者の声に耳を傾けながら選ぶことの是非を考える。出生前診断をめぐる様々な当事者たちの声からつむぐノンフィクション。
- 著者の紹介:1974年生れ。ノンフィクション作家。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒業。2004年に出版した『セックスボランティア』で、障害者の性と愛の問題を取り上げ、話題を呼ぶ。2009年『ウスケボーイズ―日本ワインの革命児たち―』で小学館ノンフィクション大賞を受賞。
映像化
なし
豆知識
寸評
告知を受けて、産むかどうかを決める方の読む本ではありません。ただし、合併症があると、お子さんが、早くに亡くなる可能性があることは、嫌という程、伝わって来ます。「裁判に勝者はいない」と言う言葉がありますが、本当にそうだと思います。ところで、ダウン症児を産んだ方の取材は、何件かあるのですが、堕胎した方の取材が、ほとんどないのは、少し違和感を感じました。そんな中、2016年の厚生労働省の意識調査で、ダウン症当事者に「毎日幸せに思うことが多いか」と質問したところ、約92%が、「はい」「ほとんどそう」と答えたそうです。とても勇気付けられる事実でした。★
紹介
情報
- タイトル:ぼくを忘れないで (海外文学セレクション)
- 著者:ネイサン・ファイラー
- 出版日:東京創元社 (2019/5/31)
- あらすじ:ぼくには仲良しの兄・サイモンがいた。でも死んでしまった。ぼくはサイモンに会いたくてたまらない。19歳になったマシュー・ホームズは、統合失調症の治療の一環として、自分自身について書いている。大好きだった兄サイモン、ダウン症だった彼の死は、幼かったマシューの思いつきがもたらしたようなものだった。罪の意識に苛まれるマシュー。彼には「ぼくを忘れないで」というサイモンの声がいつも聞こえている。精神科病棟の看護師だった著者だからこそ書ける、病める青年の苦しみ、不安、喜び、そして家族のこと。サイモンとマシューの兄弟を、あなたは忘れることができないだろう。
- 著者の紹介:1980年、英国ブリストル生まれ。ブリストルの西イングランド大学で精神科看護師の資格を取得。その後、ブリストル大学でメンタルヘルスの研究に従事。バース・スパ大学のクリエイティブライティングの修士号を取得。同大学でシニアレクチャラーとして教鞭を執っている。パフォーマンス詩人としても活動し、英国内の朗読イベントやフェスティバルに出演している。現在は家族とブリストル在住。2013年に『ぼくを忘れないで』でコスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した。
映像化
なし
豆知識
- コスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した傑作小説だそうです。
- コスタ賞は、イギリスまたはアイルランド在住の作家に与えられる英語文学賞。1971年から2005年まではウィットブレッド賞と称していたが、スポンサーがウィットブレッドから子会社のコスタ・コーヒーに代わったことに伴い2006年から現在の名称になった。
寸評
19歳の統合失調症のマシューのエッセーのような形式を取っていますが、話が前後している上に、支離滅裂で、よく分かりませんでした。そこが、この本の魅力なのかも知れませんが、統合失調症患者に失礼な気がしました。ダウン症の兄・サイモンは、あまり登場しないので、ダウン症の話を読みたければ、この本は、不適格です。★
ダウン症に関する小説
紹介
情報
- タイトル:メモリー・キーパーの娘
- 著者:キム・エドワーズ
- 出版日:NHK出版 (2008/2/26)
- あらすじ:1964年のある大雪の夜。医師デイヴィッドと妻ノラは、男女の双子に恵まれるが、女児はダウン症だった。デイヴィッドは妻を悲しませたくないがために、とっさに娘を人手に渡し、妻には死産だったと偽るのだが…。一見裕福で幸せそうな夫婦、娘を預かった孤独な女、別々に育てられる兄妹―たったひとつの嘘によって、それぞれの人生がもつれた糸のように複雑に絡み合ってゆく。
- 著者の紹介:作家。ケンタッキー大学准教授。短編集The Secrets of the Fire Kingで、1998年のPEN/ヘミングウェイ賞の最終候補に残る。長編小説は『メモリー・キーパーの娘』が初めて。過去に神奈川県小田原市で、2年間英語を教えていた経験もある親日派。
映像化
豆知識
- 口コミで広まり、1年半にわたって全米ベストセラーとなった異例の小説。
寸評
小説として、設定がとても良いと思いました。中盤、ダウン症のフィービのことが、あまり書かれていないので、少し物足りなかったのですが、最後の方で、見事に挽回していました。この本は、ダウン症のお子さんを授かった家族向けではないように思います。一小説として、楽しむ方が良いでしょう。フィービは、確かに幸せに暮らしていました。「本当によく育ててくれました」と、キャロラインに感謝したいくらいです。フィービの特徴も、ダウン症児の家族の方の助言があったようで、よく描かれていたと思います。本作を読んで、一言で言えば、「ダウン症は、不幸ではない」と言うことでしょうか。色々あっても、幸せに、楽しく暮らすことができるんだと、思い知らされました。★★★★
紹介
情報
- タイトル:デザイナーベイビー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
- 著者:岡井崇
- 出版日:早川書房 (2015/9/15)
- あらすじ:城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が、新生児室から連れ去られたのだ。誰が、なぜ、どうやって、産まれたばかりの児を? しかも誘拐された児は病気を持っている。救出は一刻を争う。やがて院長あてに身代金要求の電話が入るが……狡猾な犯人に翻弄され、焦慮に駆られる警察。医師たちも動揺を隠せない。だが、事件はまだほんの序の口だった。さらなる衝撃が、城南大学病院を襲ったのだ! 産科医不足問題の実態を描き、社会に大きな波紋を投げかけた『ノーフォールト』、医療改革の闇をえぐった『トライアングル』の著者が、医療最前線のさらに一歩先にある危機を描いた話題作を全面改稿。
- 著者の紹介:医学博士。社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院長。1947年和歌山県生まれ。1973年東京大学医学部を卒業後、東京大学医学部助教授、昭和大学医学部産婦人科学講座主任教授、昭和大学病院総合周産期母子医療センター長等を経て現職にいたる。2007年に、産科医の不足と無過失輔償制度の実現を訴える小説『ノーフォールト』を発表。
映像化
豆知識
寸評
冒頭、ダウン症児が、病院から誘拐されるので、どんな救出劇だろうかと、大いに期待をしたのですが、最後の最後にちょっと触れるだけで、終わってしまいました。ダウン症のことを期待するなら読む必要はないでしょう。ただし、体外受精などに興味があるのならば、為になる本になるかも知れません。推理小説と言えると思うんですが、一つ一つのトリックが、陳腐で、他の本にもありそうな展開だったのが、残念でした。★
ダウン症に関する絵本
紹介
情報
- タイトル:マルコとパパ ダウン症のあるむすことぼくのスケッチブック
- 著者:グスティ
- 出版日:偕成社 (2018/2/7)
- あらすじ:ダウン症のある息子マルコがうまれ、最初は受けいれられなかった自分の気持ち、家族やまわりの人たちの言葉、やがて、ありのままのマルコを愛するようになったこと…。ラテンアメリカ出身の人気イラストレーターがえがくダウン症のある息子マルコとの、いとしい毎日。ボローニャ・ラガッツィ賞障害の本部門最優秀賞、ミュンヘン国際児童図書館推薦図書、IBBY障害児図書資料センター推薦図書。小学校中学年から。
- 著者の紹介:1963年アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれる。美術学校で学んだのち、テレビのアニメーションや、雑誌のイラストなどを描く。85年からヨーロッパに住むようになり、現在はスペインのバルセロナで暮らす。多くの本の絵を手がけ、作品は約20か国で翻訳されている。
映像化
なし
豆知識
- 翻訳本ですが、デザインとかも原作を踏襲していて、とても美しい絵本です。
- マルコの誕生から、六歳までの話です。
寸評
読む人に押し付ける訳でもなく、サポートを強要する訳でもなく、ダウン症をありのままに表現している。そんな気がしました。出版するくらいだから、もちろん何らかの意図はあるんでしょうが、マルコの特徴、良さ、悪さなどが、ダイレクトに伝わって来ました。ダウン症のマルコの生活が、垣間見れて、ああ、愛されているんだなと、感じました。創作や育児などに迷った時、何かの助けになるかも知れません。またいつか、借りて読んでみようと思います。★★★★★★
紹介
情報
- タイトル:あいちゃんのひみつ ダウン症をもつあいちゃんの、ママからのおてがみ
- 著者:竹山美奈子
- 出版日:2020/3/26
- あらすじ:学校の先生からの一声で、小4生全員があいちゃんママのお話を聞き、疑似体験する授業が行われました。あいちゃんは、なぜ特別支援学校から地元の小学校に転校してきたのか、あいちゃんは転校してどう感じているのかが描かれた、あいちゃんママからのお手紙。「どうしてそんなに目がつっているの?」「何をするのもゆっくりなのはどうして?」ダウン症の特徴やその原因、接し方が「なるほど」とわかるお話。
- 著者の紹介:1967年大阪府堺市生まれ。静岡大学教育学部卒業。教育系出版社で、情報誌の企画・編集・ライティング・ブックデザイン・プロモーションなどに従事。重度知的障害を伴う自閉症のある娘(鈴乃ちゃん)が就学する際に退職。2016年に紙芝居『すずちゃんののうみそ』を自費出版し、2018年、岩崎書店から絵本として出版される(絵・三木葉苗/監修・宇野洋太)。学校・幼稚園・福祉施設・書店などで、絵本制作のきっかけ、障害理解などについて講演活動も行なっている。
映像化
なし
豆知識
寸評
おおよそ想定内の内容でした。子供たちに、ダウン症のことを伝えることを目的として、作られているので、その目的を達することができると思います。「どういうことが苦手だから、どうしてあげれば良いか」など、具体的に書いてあると、もっと良いなと思いましたが、限られた紙面なので、そこまでは、求められないでしょうか。個人的には、支援学校から支援学級に変わって、付いていけるのか、心配してしまいます。★★
その他の障害に関する本
紹介
情報
- タイトル:アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
- 著者:ダニエル・キイス (著)、小尾 芙佐 (翻訳)
- 出版日:2015/3/13
- あらすじ:32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。
- 著者の紹介:1927年ニューヨーク生まれ。ブルックリン・カレッジで心理学を学んだ後、雑誌編集などの仕事を経てハイスクールの英語教師となる。このころから小説を書きはじめ、1959年に発表した中篇「アルジャーノンに花束を」でヒューゴー賞を受賞。これを長篇化した作品がネビュラ賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。その後、オハイオ大学で英語学と創作を教えるかたわら執筆活動を続け、『五番目のサリー』『24人のビリー・ミリガン』(以上、すべてハヤカワ文庫)など話題作を次々と発表した。2014年6月没。享年86。
映像化
豆知識
- 累計320万部の不朽の名作が新版に。野島伸司脚本監修、山下智久主演で連続ドラマ化されました。
寸評
知的障害を手術で治すと言うことだったので、どんな手術かと思いましたが、その詳細には、全く触れていませんでした。ただ、ちょっとだけタンパク質の話に言及しており、一応、調べた跡を感じた。最初は、手術までの展開が、とても小気味好く、その後の展開を期待したが、実際には、天才になって浮いた感じになったり、性の話まで飛び出す始末。確かに障害者の性について言及する作品は多い。それだけ、重要なのかも知れない。今の私は、書かないのではなくて、書けないのかも知れない。終盤も、大きな展開がなく、なんとなく終わってしまった。そこが良いのだ、と言う意見もあるだろう。だけど、物足りなさを感じた。ただ、ところどころ、チャーリイの思いや葛藤が、とてもよく描かれていて、そこは勉強になりました。障害を真剣に論じるところです。★★★
紹介
情報
- タイトル:障がい者だからって、稼ぎがないと思うなよ。―ソーシャルファームという希望―
- 著者:姫路まさのり
- 出版日:2020/3/17
- 著者の紹介:1980年三重県尾鷲市生まれ。放送芸術学院専門学校を経て放送作家。「ちちんぷいぷい」「AbemaPrime」などを担当。ライターとして、朝日新聞夕刊「味な人」などの連載を担当。HIV/AIDS、引きこもりなどの啓発キャンペーンに携わる。著書に『ダウン症って不幸ですか?』(宝島社)。
映像化
なし
豆知識
- 奥山佳恵さんが、『ダウン症って不幸ですか?』を絶賛していたようです。ダウン症児のママさんが、良いと言うなら、それは、すごくためになる本なんでしょう。
寸評
作者は、障害とあまり縁のない方と言うことで、少し嫌な予感がしたが、読み進めていると、障害者の雇用主の話が主で、それには、含蓄があった。それぞれの生き様と言うか、信念のようなものを感じた。ただ、成功者の体験談をそのまま鵜呑みにしてはならない。依然、障害者雇用の現場は、とても厳しい状態にあり、美談など語れる状況ではない。でも、この作者のように、障害に目を向けて、こうして、本の出版まで漕ぎ着けてくれた援軍がいるのも事実。そうして、社会は、少しずつ変わっていくのだろう。★
紹介
情報
映像化
なし
寸評
三部構成になっています。第一部は、障害児の家族が書いていますが、ダウン症ではなく、比較的重度の障害に関するもの。第二部は、専門家が書いているので、少し学術的。ダウン症に関しては、玉井邦夫先生が、7ページだけ書いています。第三部は、子育ての話なので、その時に読めば良いでしょう。★
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