iPS人工染色体

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鳥取大学などの研究グループはがんや筋ジストロフィー、ダウン症などの治療に対し、有効なiPS細胞と人工染色体を活用した世界初という応用例を、2021年1月22日発表しました。

この研究はiPS細胞に人工染色体を組み込むことで、遺伝子や染色体を原因とするダウン症や、筋ジストロフィーの治療などを目指すものです。iPS細胞を治療に役立つ細胞に変化させる同様の研究はこれまでもありましたが、その際に用いる化学物質が細胞を傷つけることが課題でした。今回は『はしか』ウイルスのタンパク質を利用することで細胞を傷つけることなくまた遺伝子操作の自由度も向上。筋ジストロフィー患者の欠けていた遺伝子を修復することにも成功したということです。

鳥取大学医学部 香月康宏准教授は、「10年以上、この染色体導入技術の開発に携わって技術の改良ができたことは研究者として大変嬉しい。こういった研究を患者の元にいち早く届けられるように研究を進めていきたい」今後はがんやダウン症などの治療にも役立てていきたいとしています。

さんいん中央テレビ

筋ジストロフィー


筋ジストロフィーとは

筋ジストロフィーは、遺伝子に突然変異が起きて、筋肉の機能に不可欠なたんぱく質に支障をきたし、筋肉の変性壊死が生じる疾患です。その結果、筋萎縮や脂肪・線維化が生じて、筋力が低下して、運動機能などの各種機能の障害をもたらします。

分類

近年、筋ジストロフィーの原因となる遺伝子が、多数発見されています。その為、筋ジストロフィーは、「臨床病型」「ジストロフィン異常症」「肢帯型」「先天性」「顔面肩甲上腕型」「筋強直性」「エメリー・ドライフス型」「眼咽頭筋型」と、8つほどに分類されています。

症状

筋ジストロフィーの症状は、運動機能の低下が主なものですが、拘縮・変形、呼吸機能障害、心筋障害、嚥下機能障害、消化管症状、骨代謝異常、内分泌代謝異常、眼症状、難聴、中枢神経障害等の様々な機能障害や合併症を伴います。

筋強直性ジストロフィーの合併症には、以下のようなものがあります。

有病率

筋ジストロフィーの有病率は、人口10万人当たり、17〜20人程度とされており、人種や国ごとに有病率に違いがあります。例えば、「福山型先天性筋ジストロフィー」は、日本で最も多い疾患ですが、日本・韓国・中国以外では、ほとんど例がありません。逆に、「筋強直性ジストロフィー2型」は、日本では、ほとんど見られません。「常染色体劣性遺伝形式」は、血縁関係のある男女の子供で多く発症します。その為、近親婚の多いアラブなどの民族や地理的に隔離されたところで、多く見られます。

筋ジストロフィーの原因

筋ジストロフィーの責任遺伝子の機能には、細胞膜に関連するもの、細胞の外側の基底膜に関連するもの、筋線維の収縮・弛緩に関与するサルコメアに関連するもの、タンパク質の糖修飾に関連するもの、核膜に関連するもの、など多様なものがあります。

遺伝するのか?

筋ジストロフィーの原因となる遺伝子変異は、親から引き継がれる場合と、突然変異で起きる場合があります。

治療法

現時点で、筋ジストロフィーに対する根本的な治療薬は、ありませんが、ステロイドを投与したり、関節可動域訓練をしたり、肺をきれいに保つ呼吸理学療法、摂食嚥下訓練などがあります。


所見


iPS細胞に人工染色体を組み込むことは、確かにこれまでにもやっていたことかも知れませんんが、『はしか』ウイルスのたんぱく質を利用したところが、注目点です。記事によると、遺伝子を操作するので、突然変異を起こしたところの遺伝子を修復するのだと思いますが、ダウン症の場合には、3本目の21番染色体の機能をシャットダウンしたりするのでしょうか。大変危険な賭けのような気もしますが、確かに、有効的かも知れません。


参考文献


  1. 難病情報センター

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