出典:みんなのねがい
- ダウン症の合併症で最も多いのは心臓疾患です。全体の30〜40%の人に見られます。高頻度に見られるのは心室中隔欠損、心内膜欠損、動脈管開存などです。心臓手術は有効な治療方法ですが、根治するかどうかは、分かりません。
- 消化器系では、食道や腸に異常が見られるケースが少なくありません。食道閉鎖、鎖肛、十二指腸閉鎖など、生後まもない時期に手術が必要となることもあります。
- 眼科系では、斜視、白内障、屈折異常(近視、遠視、乱視)などです。とくに屈折異常は多く、近視・遠視に乱視を併せもっている人も多くいます。就学までには検眼をして、めがねなどで視力を確保することが必要です。
- 耳鼻科系では、外耳道閉鎖、中耳炎、鼻炎などです。ダウン症は言語発達が遅れ気味ですが、難聴も言語発達の阻害因子です。ダウン症児の半数近くに聴力の問題が見られますが、そのほとんどは滲出性中耳炎です。何回もくり返すうちに鼓膜の可動性が悪くなってしまいます。
- その他、内分泌系では甲状腺機能異常、耐糖能異常、整形外科系では環軸頸椎の形成不全などもよく現れる合併症です。
- 運動発達とそれにともなう肥満も課題となります。ダウン症の人は全体的な筋肉の緊張性の障害があるために姿勢や運動の遅れがめだちます。心臓疾患による運動の制限や加齢による体重増加が加わって、肥満につながってしまうこともあります。学童期の頃から栄養コントロールと運動の習慣が必要になります。
- 糖尿病など成人病が多いという報告もあります。ダウン症では、知的障害に対応する保育、教育、福祉の支援に加えて、赤ちゃんの時期からおとなまで健康面での支援が欠かせません。
合併症の簡単な説明は、「LITALICO」が、とても参考になります。合併症以外のことも、ここで、吸収してみてください。
合併症の種類や程度は人によってさまざまです。その中で十二指腸閉鎖や鎖肛などは生後すぐに手術が必要ですし、先天性心疾患も乳児期に手術を必要とすることが少なくありません。いずれも小児外科や小児専門の循環器外科など、専門性の高い医療機関で手術します。白血病や難治性てんかんでは入院期間が長引くことがあります。耳鼻科、眼科、整形外科など、合併症によって専門の科を紹介されますが、基本的に小児科医が中心になって、包括的な診療を行っていきます。
出典:東京逓信病院
出典の「東京逓信病院」のホームページ中の「表」と「予後と療育」の欄も参考になります。